デザインの考察:11

パリ・ノートルダム大聖堂展(日本科学未来館:お台場)

「タブレットを手に巡る時空の旅」をイメージした「HistoPad」による体験型の展覧会です。
2019年の火災により大きな被害を受けた世界遺産・ノートルダム大聖堂が2024年12月の一般公開を再開するタイミングに合わせ、世界15都市の巡回展として東京で開催されました。
会場には過去へとつながる21個のタイムポータル(時空の扉)があり、HistoPadをかざすとディスプレイに当時の様子が再現されます。画面内はページが重ねられ、さらに深く情報が得られます。仕組みは奥深いのですが、しっかり理解するには座って場面移動を楽しむのが良いでしょう。会場は思いのほかコンパクトでU字型に折り返すのみですが、HistoPad内をもらさず体験すれば時間はかかります。素晴らしい映像と最新技術での再現を1時間程度にまとめ、シアターなどで上映する方が理解しやすいと感じました。
日本科学未来館で2025年2月24日(月)まで開催中。開業30周年を迎える「ゆりかもめ」に乗車する楽しみもありました。
日本科学未来館

第一の目的は、国立西洋美術館で開催されている「モネ 睡蓮のとき」でした。正月2日の美術館は外まで長蛇の列、中に入っても列は続きおそらく観覧もままならないだろうと今回は諦めました。レストランでの休憩は叶いましたがランチはなし。ミュージアムショップも混雑の上レジまで長蛇の列。時期もありますが、東京での展覧会は多くがこのパターンで「芸術」を豊かな気持ちで味わえない。人数制限や日時指定制など、観覧する立場に配慮してほしいのですが、芸術も商業主義が現実です。今まで通りなるべく平日に足を運ぶようにします。
国立西洋美術館(上野)

平安文学、いとおかし  国宝「源氏物語関屋澪標図屏風」と王朝美のあゆみ

丸の内への移転後、訪問を楽しみにしていた静嘉堂文庫美術館へ行ってみることにしました。
何より古典主義様式のオフィスビルの最高峰、重要文化財・明治生命館1階と言う背景も魅力です。上質な空気の中観覧する醍醐味もあり、明治生命館2Fの一般公開エリアを無料で見学することも可能です。コリント様式の列柱やギリシャ建築等の装飾モチーフ、アカンサス。執務室や歴史ある会議室など近代歴史や建築の視点でも楽しめます。
展覧会は、国宝 俵屋宗達「源氏物語関屋澪標図屏風」、国宝 「倭漢朗詠抄 太田切」をはじめ、国宝3件、重要文化財5件を含む平安文学を題材とした絵画や書の名品と、静嘉堂文庫が所蔵する古典籍から「いとをかし」な平安文学の世界が展開されていました。観覧に負担のない展示数で内容も新年にふさわしい雅な世界を味わうことが出来ました。
静嘉堂文庫所蔵の国宝 曜変天目(稲葉天目)建窯 も展示されていました。曜変天目以外は撮影が可能でした。

静嘉堂文庫美術館
明治生命館


冬期はどの地域でも大きな展覧会は少なく、春まで休館する美術館もあり下調べして出かける注意が必要です。少ないゆえゆったり観覧できるのか、逆に集中して混雑するのか見極めも必要で、時にいらないストレスになることもあり、芸術観覧が庶民のものになった現在、どのようにしたら満足のいく観覧が出来るのかは個人の選択と判断に委ねられると思います。小さな美術館や地元の資料館などにも「逸品」は存在し、もう少し勉強しなければとの感想です。

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