季節の便り:8

緑の町に舞い降りて 盛岡編

川と緑と風の町 盛岡。親しみを感じ心穏やかに過ごせる素敵な町、そして盛岡は大都市でした。大企業のどっしりとしたビルが路面に聳え、高層マンションも林立していました。歩いてみると行政機関や公共施設と歴史、文化が融合した景色に出会います。おしゃれで懐かしい雰囲気の店舗が集まる界隈も隣接しています。規模は圧倒的ですが圧迫感はありません。町が広くゆったりしているからでしょうか。平日ではありましたが混雑感もなく、けれど人はそれぞれの目的でたくさん行き来している。静かで品の良い都会感という印象です。それぞれの景色や町並みに川や橋が織り込み町のイメージを特徴づけています。盛岡は岩手県はもちろん東北の経済、文化をリードしながらも近くに山々や田園風景が広がり、豊かな自然に恵まれた上質の都市です。

岩手銀行赤レンガ館(国指定 重要文化財)
旅の者として訪れた歴史的建造物は、現在の町並みに溶け込み想像より小さな印象がありました。橋のたもとにあり、常に町歩きの目印になったランドマークです。市民は当たり前のように通りを行きかいますが、その周りで写真を撮る人たちが必ずいて、ここが観光地であると実感します。重要文化財でありながらイベントなどの催しが盛んで、市民の暮しとともにある施設なのです。

南昌荘(なんしょうそう)(庭は国登録記念物、盛岡市指定保護庭園・景観重要建造物に指定)
盛岡市は、永い歴史と伝統にはぐくまれた歴史的環境と近代的都市機能とが調和する魅力ある街づくりを目指しており、歴史的建造物を見て歩くマップもありました。南昌荘は町はずれに佇み静かな時が流れる空間です。ここでひと休みし、ようやく旅の実感にひたれたのです。明治の実業家が贅を尽くした邸宅は、130年の間に所有者をかえ、現在は大切に維持管理する団体に引き継がれ一般にも開放されています。

光原社(光原社本店・可否館・モーリオ)
大正時代に、宮沢賢治が「光原社」と名付けた出版社の社名が由来で、全国各地の民芸を扱っています。東北の手仕事や岩手の食品を扱った「モーリオ」、クラッシックな建物で珈琲を味わう「可否館」などが併設されている訪問必須のスポットです。

ホームスパンハウス 盛岡店
目指すホームスパンのショップはモーリオの2軒先にありました。店内の圧倒的なぬくもり感にため息。手で紡ぎ、手で織る英国生まれの伝統技法を世界で唯一受け継いでいる企業。手織りゆえ大量生産は出来ず、貴重な製品と出会えたことは幸運でした。この技法を取り入れ良質の素材で編み上げた商品群も魅力的です。花巻市にテキスタイル・ラボがあり体験講座も行っているとのこと。ソワソワします。
マフラー、帽子、手袋を求め、冬への楽しみが出来ました。

※店内の写真は許可を得て撮影しています。

OGAL(オガール)
「オガール」とは、農村と都市。公民連携。デザイナーズタウン(HPより)。盛岡駅より電車で約20分の紫波町、JR紫波中央駅前の町有地を中心に紫波中央駅前都市整備事業(オガールプロジェクト)により都市整備をされたエリアで、宿泊施設、アリーナ、図書館などの子育て・教育施設、産地直送のマルシェなどが展開されています。エリア内にはエネルギーステーションや紫波町役場もあります。「何だろう?」の好奇心と産直マルシェが目的で行ってみましたが、食事をする場所がほぼなく、電車の本数も限られており注意が必要です。駅前の広大なスペースに新しい町の在り方が広がり視察も多いようです。これからのローカルの強みを具現化させたプロジェクトです。

町 点描
町中を循環するバス(でんでんむし)が便利ですが結局歩くのが楽しく、どこまでもどこまでも歩きました。だんだん全体を俯瞰してイメージでき、感も良くなり何よりも歩くことは気付きが多く、プランなき旅の醍醐味を与えてくれるのです。盛岡市民が暮らす町に旅の者がちょっぴりお邪魔させていただきました。そこに「観光」と言う意識はない。

minä perhonen Morioka  ミナペルホネン盛岡店オープン初日に遭遇した幸運。
自家焙煎コーヒー屋 クラムボン  小さな店舗ですが専門店はやはり確実に珈琲が美味しい。自家製プリンも家庭的なやさしい味でした。
南部鉄器 釜定
大慈清水  歴史的町屋が点在する鉈屋町にある清水。地域住民による用水組合で維持管理されています。近くには「青龍水」などもあり、湧き水の地であったようです。

緩やかな気持ちでストレスもない盛岡の旅。見どころと言う視点ではなく、気になるモノ、コトがまだまだあることに気付きます。また、花巻や江刺、遠野などの地域も興味が湧き、旅が続く予感がするのです。

・「緑の町に舞い降りて」は、ユーミンが盛岡での小旅行を歌った紀行曲です。飛行機から見下ろす町は川沿いに緑地が広がり「緑の町」となったのだと想像します。(悲しいほどお天気 1979.12.1)

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