商品の考察:5

会津漆器産業を守る 鈴善漆器店
天保3年(1832年)の創業以来、漆器問屋として 会津漆器産業とともに歩んできた鈴善漆器店は、後世に 会津塗りを伝えていくために、鈴善漆器店蔵建造物群を「会津塗伝承蔵」として一般公開しています。
内容を抜粋して連ねるよりも、ホームページをご覧になることをお勧めします。企業の歴史は会津の歴史、会津産業の歴史と重ね合わせることができ、地域の歩みをより一層実感できます。
ここ「髹(ぬり)の辻」は仕事、散歩を兼ね日頃からよく歩く通り。大通りを前にしながらも静かな佇まいを見せ「建物登録有形文化財(建造物)」に登録されており、第一回福島県建築文化賞、第六回会津若松市美しい会津景観賞を受賞しています。
「会津塗伝承蔵」を見学できることを知り訪ねてみました。












伝承蔵2階(会議室・来賓室)は改装準備のため現在は見られないとのお話しでした。お忙しい中突然の訪問に施設内を丁寧に案内してくださった職員の方に感謝いたします。また出先から戻られた鈴木会長にもお忙しい中いろいろなお話を聞くことが出来ました。大変貴重なお時間をいただき夢のようでした。


右の画像について質問しました。(よく撮られていなかったためホームページよりお借りしています)
桐箱に入れられお茶の茶碗のようにひとつひとつ丁寧に紐で結ばれた大量の商品に「何だろう」と思ったからです。
左の画像「宮内省御用御大典木杯」の看板にあるように御大典の記念品などを一手に引き受け、他にも企業の永年勤続の記念品や全国規模の注文を得、戊辰戦争で壊滅的な被害を受けた会津漆器産業の復興を明治中頃から助けたと言うことです。画像の中に木杯が見えます。桐箱に収めるのは簡単だが、紐を丁寧に結ぶのは女性のきめ細やかな仕事だったとの様子です。
仕事でも長く会津漆器にかかわってきましたが、このようなお話を聞く機会はありませんでした。
この日の施設見学で思うことがたくさんありました。
1.美術蔵では会津作家の漆芸作品の展示がされていました。販売も兼ねており価格は数百万をするものもありますがそうそうは動かないそうです。伝統工芸士や日展受賞作家を応援する場です。たくさん売れてほしいと思います。美と技を兼ね備え芸術の域にあるこれらの作品は今後つくり続けられるかどうか分からないのです。貴重な逸品を見る目を持った方に買ってほしい。そして価値を高めてほしい。地元はもちろん、日本文化を日本人より高い感性で捉える海外の方や、蒐集家の方々にこの美術蔵を広く知ってほしいと思います。
2.会津漆器産業のお話しは生き生きして大変面白かった。このようなお話を施設内で発信されることはあまり例がなく貴重な機会ではないかと思いました。歴史ある漆器産業と会津の歴史を重ね合わせたり、いち企業としての歩みの物語、歴史ある建築、先代が蒐集された品々などテーマは尽きないでしょう。
3.作家が作品をプレゼンテーションするがごとく作品を紹介し、より知ってもらい購買の機会を演出する。など。作家や作り手とのコミュニケーションの場もあまり聞きません。
勝手に妄想が膨らみました。
施設二階を改装準備とお聞きしました。鈴木会長は「会津漆器産業を守らなければならない」とお話しされ、その上で今後新たな展開も構想されています。
鈴善漆器店


