デザインの考察:5

板谷波山 至高の美を求めて

茨城県陶芸美術館で「生誕150年記念 板谷波山の陶芸」を観てきました。
タイトル画像は記念図録の表紙とポストカードです。マットな質感が特徴的な「葆光彩磁」をイメージした図録の表紙はパールマット系の紙に印刷され、型押しによる浮き彫り感も見せていました。

作品そのものの技術や美しさはもちろん、波山の人としての年譜や美の変遷、地域や人とのかかわり、作品ひとつひとつへの思いなどが厚い層をなし、陶芸家波山とその作品が立体的に迫ってきます。不思議な言い方ですが、本当にこの人が造った。と確信します。
波山の陶芸家としての活動期間は、研究的に言うと何期かに展開され、技法的にも難しい「葆光彩磁」を美の到達点、至高の美などと表現されますが、青磁も素晴らしく国宝級の作品もかすむ感を持ちました。辰砂と言う赤、天目茶碗もあまり見かけない色合いでした。香炉や茶碗が品の良さと豪華さを兼ね備え、ひとつでも持っていたい・・・と垂涎しきり。

板谷波山記念館にも足を延ばしました。生家と作業場を見るのが目的です。時代的にも当然ほとんどが木造りで、目も心も安らぐ自然あふれる環境が魂のこもった作品づくりにつながると感じました。

90歳を過ぎても作品をつくり続け、唐花文壺の彫りの段階で命が尽きた。
苦労もあっただろうが、何でも自分がやらなければ気がすまない、と自由に楽しんで好きなことを全うした。
自由に楽しんで好きなことを・・・。

板谷波山記念館から徒歩2~3分 しもだて美術館で「ハートカクテル40周年記念 わたせせいぞうの世界展」が開催されていました。リアルに読んでいた時代の原画と印刷指示に感激。印刷の色指定などはいつまででも見ていられる。変わらない品の良いセンスと瑞々しさ。やはり「人」が本質なのでしょう。

茨城県陶器美術館
板谷波山記念館
しもだて美術館

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